11月中旬に、CNSコースの院生3名と教員が兵庫県立柏原病院へ伺い、秋田穂束院長先生より、中山間地域における在宅医療についてお話を伺うことが出来ました。

県立柏原病院の立地する丹波市は、面積493km2、森林が多くを占める緑豊かな中山間地域です。主な産業は農業と林業で、黒豆が有名です。平成29年度現在、人口は6万5千人、高齢化率は32.4%で、全国平均と比較して特に労働者人口が少ないのが特徴です。

療養者や家族の自立を促進するケアを提供するためには、在宅医療体制そのものの持続可能性も重要となります。秋田院長先生のお話では、丹波市における疾病構造と地域特性、柏原病院における地域医療崩壊時代からの回復の歩み、既存資源を活用したフレイル・認知症予防の計画、中山間地域において大きな課題となる医療人材確保と人材育成の歩み、多職種連携の質を変革する取り組み、またこれらの実践の根底に流れる病院理念に関するお話など、これまで柏原病院で取り組まれてきた様々な取り組みと、これから先を見据えた“夢”を語ることの重要性についてもお話を伺いました。

午後からは、地域医療連携課長兼看護師長の井口綾子先生より、介護予防を重視する観点から、継続看護外来における入退院支援PFM(Patient Flow Management)の実際、丹波圏域におけるケアマネジャーと病院の連携を密にするために構築された引き継ぎルール、そして、院内外の多職種が集まって行う地域連携ミーティングの実際についてお話をいただきました。井口先生の、「治すための看護」だけでなく「生きることを支える看護」へという言葉が印象に残りました。

実際の現地に赴き、紅葉美しい丹波市を後にしながら、病院における新たな取り組みには県や市との連携・協力が大きな推進力になっていることも感じました。

柏原病院の特別講師の先生方、ご協力下さったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

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県立病院院長
秋田穂束先生

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地域医療連携課長兼看護師長
井口綾子先生